2016年12月8日木曜日

小原宏貴さんの花奏 (はなかなで)を西中千人の器に

小原流家元 小原宏貴さんのいけばな作品。

2017年小原流いけばなカレンダーの5月にこの作品が掲載されている。


拙作の器をお使いの作品は、「花奏 はなかなで」という彼が考案した型。
従来はタブーとされていた花を交差させる独自のカタチで
新しいスタイルの空間構成をしている。


コラボ作品、対談など、ご一緒させていただいているが、
伝統の上に、若いエネルギーと思慮深さが加わり、
会うごとに新たな一面を見せてくれる。


いつも刺激を与えあえる大切な表現者であり友人だ。




2016年12月5日月曜日

文化的資源循環による「ガラスアートの瞑想空間」プロジェクトが始動

『 アートで地球資源の循環型社会を考えるプロジェクト』 

日本庭園の概念にインスパイアされた静謐なアート空間。

そこに身を置くことで「宇宙の一瞬」としての自己の存在を実感し、静かに自分の内と外、過去と未来を見つめ、未知の自分を引き出すための空間を創り出すプロジェクト。

このプロジェクトは、日本耐酸壜工業株式会社との共同研究により、
回収したガラスびん70%をリサイクルしたガラス素地からアート作品を創り出すという「文化的資源循環」を提唱するものでもある。


地球資源の循環型社会を考える契機にもなるプロジェクトで、西中千人の宇宙観と日本の企業の高い技術力で生み出す「新しい日本の美とモノづくり」を世界に発信していく。


実制作の第一弾として、「瞑想空間」に立ち並ぶ作品のひとつである600Kgのガラスの塊のオブジェの鋳造がついにスタート。



鋳型には、1200℃という高温の600Kgもの大量のガラスを流し込む。
さらに鋳型の中で、6週間かけて徐々にガラスを常温まで冷ますため、
熱、圧力に長期間耐えうる鋳型を作らなければならない。








いよいよガラスの流し込み。

既に何度もテストを繰り返してはいるものの、
緊張の瞬間の到来!



高さ3.5mから1200℃のガラスを流し込む。





鋳型への負担を軽くするため、溶けたガラスが当たる位置を調節しながらの流し込みだ。






わくわくヒヤヒヤしながら、鋳型に流れ込むガラスを見つめる。






電気炉で、じっくりと時間をかけてガラスを冷ましていく。

6週間後に鋳型から出てくるガラスを楽しみに。。。。。



一流の技術者チームと力を合わせ、常に300トンのガラスが溶けている巨大溶解炉を活用してのプロジェクトは、
今までの枠から大きく飛び出すことができる。


大きさだけでなく、情熱の規模も気合もずーっと壮大になり、

より多くの人の感動と共鳴を得ることができうるものになるだろう。

乞うご期待!



2016年11月27日日曜日

大分展 番外編



羽田空港から大分トキハ本店に到着してまもなく、館内でサイレンが鳴り響いた。

その後、「火事です。落ち着いて避難してください。」と、館内放送が。
訓練かな?と思い、辺りを見回すと、
職員の皆さんが手際よくお客様を誘導する姿。

エレベーターやエスカレーターは使えないので階段で避難。
階段では若い職員さんたちが、お客様を車椅子ごと持ち上げて
テキパキと7階から1階まで避難を手伝っていた。

素晴らしく落ち着いた避難誘導に、感動的な安心感だった。

大事に至らず、よかったよかった。
次の日は、朝から通常営業。






大分府内城跡と松栄神社を繋ぐ廊下橋。
かつての府内城は、海辺に面し、白土の塀と水上に浮かぶその姿から、白雉城と呼ばれていたそうだ。
四重層の天守を持ち、23の櫓と5つの門、3箇所の廊下橋が築かれていた。
戦災でほとんどが消失したが、
現存する宗門櫓と人質櫓、そして堀、塀、石垣が大分県指定文化財。

再建はこれからのようだ。
ゆったりした空気感の素敵な場所だった。






2016年11月23日水曜日

大分展。また大きなエネルギーを分けていただいた。

大分での個展が終わった。

私にとって個展とは、
作品発表の場であると同時に、お客様と心を通わせる機会でもある。

お客様は、忙しい仕事の合間に時間を作って、
また、遠くから時間をかけて会場にお越しくださる。

そして、「あなたとあなたの作品について聞かせて欲しい」と、
作品を通して私の生き様にも、気持ちを傾けてくれる。

芸術作品、芸術家というのはどういう存在なんだろう?
いつもあらためて、社会に自身を問い直す。

私にとって、芸術作品とは、
技術や感性を道具として
素材と深く語り合い、自らの想いを憑依させて
目に見えるように色と形を創り上げるものだ。

だから、今を生きる作り手の「心の在り方」が現れる。

私の作品に共感してくださる方の多くは、
社会で戦い続ける紳士&淑女。

ご自身の生き様や価値観と私のそれが共鳴するかを
作品を通してを見極める。

また、私自身もその方々から叡智をいただく。
楽しいだけではなく、次のステージへ成長するための切欠きになる。


大分展で、また大きなエネルギーを分けていただいた。
さぁ、コレからです。












大分で個展を開催します


大分で個展を開催します。
再会を楽しみにしてくださるお客様がいらっしゃるのは、とても有難いことです。
2年間の深化?に審判が下される期待と緊張!!!

19(土), 20(日)は会場に居ります。
ー「 呼継 --- 生命の煌めき--- 西中千人ガラス展 」ー
11月17日(木)~23日(水・祝)
大分トキハ本店 7階 画廊
10時~19時(最終日は16時30分まで)










2016年11月15日火曜日

沖縄へ


アートに対する考えや、自身の作品に込める想いを
今までとは異なる方法で、異なる方々へ解りやすく伝えたいと考えていました。


聖なるエネルギーが溢れるこの地で、新しいプロジェクトのスタートです。


自身の内を振り返り、深く見直すことから始める。


シンプルに純粋に、感じたままに真理を追究する。


過去を知り、今を感じ、そこから未来を創る。



じっくりと整理すると見えてくるモノがある。

新しいOSが生まれてくる実感。


来年の夏には発表できると思います。

お楽しみに!!









CHICAGO その2

ちょっと街歩き。
シカゴ川沿いに建ち並ぶビルが、個性を競い合うのもシカゴの魅力。


今が話題のあの人のビルも輝いています。
この1週間後、本当に大統領になるとは!?、驚きです。


ミレニアムパークの "The bean"。
屋外に設置して、いつもピカピカ。よくここまで磨き込んでいるものです。


滞在中は天気に恵まれ、Windy Cityの名を返上して風もなく気持ちの良い秋のひと時を満喫しました。
また、地元の Chicago Cubs がワールドシリーズ チャンピオンズで優勝、という108年ぶりの快挙!!
パレードで大通りが通行止めになるなどの大騒ぎも重なり、街中が活気に満ちていました。
(前回の優勝はT型フォードが発売される前、という報道を聞いてまた驚き)


さぁ 新たな章の始まりだ、自然体で行こう。








アートフェア SOFA CHICAGO

シカゴ アートフェア SOFA ( Sculpture Objects Functional Art and design ) に参加しました。
www.sofaexpo.com/




アメリカのでリアルなアートワールドに浸り、世界の今を肌で感じています。
世界中から集まったコレクターさんやアーティストと接している中で、
社会の流れや、表現者としての使命を客観視できました。
これから先、自身の方向性もシッカリ固まってきています。  
とってもイイ感じです。



アメリカ最大のガラスの博物館であるCorning Museum of Glass のキュレーターやガラス関係者が、私の作品に興味を持ってくれました。
ヒビに美を見い出し、欠点ではなく個性として魅力に高めた新しい表現には、
ガラスアートが盛んなアメリカでも、斬新な表現に目を留めていただいたようです。
「ガラスの呼継」
感性と技術の根底にある「心」を、文化や言語が違っても伝わるように
アメリカでもキッチリと広めていきますよ。







2016年10月29日土曜日

無一物を観る茶会

三年ぶりに手に乗せて、じっくり対話させていただく。
利休さんの好みを長次郎が形にした、重要文化財 赤楽茶碗「無一物」。
名前の通り、何モノでもない無作為が魅力といわれている。

長年愛され続ける魅力は、どこにあるのだろう?
前回は、その本質の部分が腑に落ちなかった。
私にとって「強敵」であった。


今回は、碗の姿を通して自由で清々しい「心」を感じることができた。
感じる者の求めに応じて解釈できる、自由で素直な世界が在った。


この日の午前に行った「禅 心をかたちに」展(東京国立博物館)で感じた「心の在り処」だ。
http://zen.exhn.jp

この展覧会では、何体かの木像が私に語りかけてくれた。
作者の感性、洞察力と技術を以て、木を彫刻した作品が、
モデルとなった尊者の生き様を私に説いてくれた。

技術やデザインは「心の在り処」を伝えるための道具。
それ以上でも以下でもない。


茶の湯も禅もアートも、究極「人が生きる意味」を追い求める道。
一生掛けて追い求めたくて、私はこの道を選んだ。




「無一物を」ひっくり返して底から見た形が、与二郎作の釜「阿弥陀堂」にソックリでビックリ。
林屋晴三先生の心が伝わる道具立てだった。 



 
本阿弥光悦作 赤楽 「大ふく」で濃茶をいただいた。
この碗が、今の私の肌感覚にとても合う。







2016年10月28日金曜日

日々 アップグレード

毎年、この季節の恒例行事となっている吹きガラス設備のメンテナンス。
ガラス熔解炉を解体して、内部に設置してあるルツボを交換します。



先ず扉を外します。
自前のフォークリフトを持ってるだけあって、操作には自信があります。


今回は、炉内床の打ち直しを含めて、特に丁寧に補修しました。
次の作品制作への気合いも湧き上がってきます。
火を止めているこの時期が、自身をアップグレードして、次の創作に向かう為の大事な時期です。   



2016年10月26日水曜日

パリで アートと茶の湯の祭典『ARETHE』

パリのMIZEN FINE ART GALLERY が主催する
アートと茶の湯の祭典『ARETHE』(Art &Tea) 。

http://www.mizenfineart.com

http://www.nishinaka.com/news.html#ARETHE



茶の湯を通して日本の現代工芸の魅力を発信する茶会や展覧会などのイベントが、パリ市内5カ所の会場で、9月1日 から10月31日 まで開催されています。


私の茶器、水指なども茶会でお使いいただいています。
現地の外人さんが、実際に点前をされていますよー。




パリの皆様に日本の茶の湯が、
カタチだけではなく、歴史や空気感も含めて
どのように感じていただけるのか、とても楽しみです。

10月31日まで 
MIZEN FINE ART GALLERY で日本の現代作家の茶道具などが展示されています。





写真提供 : MIZEN FINE ART GALLERY

















2016年10月7日金曜日

茶入と仕覆の競艶

釜師の長野新さんにお使いいただいている拙作 茶入呼継。


新さんの叔母様である長野みどりさんが仕覆を制作してくださいました。




粋で品格があり、日本を魅せる仕上がりに茶入も誇らしげです。

そういえば、この茶入をお使いいただいた2013年の初釜は
大雪で電車が止まり、新幹線で帰ってきた!!という深く心に残る茶会でした。

http://nishinakayukito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_18.html




2016年10月4日火曜日

ファルマシア 『 薬学がくれた私の道 』

日本薬学会が発行する、研究者と技術者向けの学術誌「ファルマシア」に、
インタビュー記事が掲載されました。


異分野に進んだ薬学出身者へのインタビューのコラム『 薬学がくれた私の道 』です。
 
星薬科大学卒業した際の、私の卒論研究は
「ドラッグデリバリーシステム(薬物体内送達システム)」だったような?!

薬科大学で学んだ無機化学は、ガラス作品制作にも役立っています。
それに加えて、なぜ化学薬品がヒトの体内で薬効を表すか?等を考える訓練が、
形のない思想から作品を生み出す発想の基礎になっていたんだ、と実感。
薬科大から芸術の道に進んだ経緯、アメリカ留学、
私にとって芸術作品とは、薬学生に一言、など、お話しさせていただきました。





















2016年4月2日土曜日

日常を離れ、自身を見つめる展覧会 --- 板室温泉 大黒屋 「 西中千人展 −呼継と光− 」

那須 板室温泉 保養とアートの宿 大黒屋にて
4月の1日から29日まで 「 西中千人展 -呼継と光- 」 を開催しています。

大黒屋さんは、山に囲まれ、空が近く大きく、清流 那珂川のせせらぎが心地よく響きます。

ゆったりと流れる時間の中で、空気の中に溢れる生命のエネルギーを感じていただける展覧会にしたいと考え、
この場にしっかりと足を着けてアートが存在する空間を提案しています。


「光の庭」
大自然と調和しながら、ガラス=光が介在し、自身の内界を体感する。








「時刻(トキ)ノトビラ」
未来への門
「この一瞬が過去と未来をつなぐ。今が過去の上に未来を創る。」という作品の世界観を伝えるため、目の前に流れる那珂川の川石と杉苔を使い、蓬莱を作る。




「ガラスの呼継」
影を以って光を表すように
器にとって致命的なヒビで、命の煌めきを表現。




「岩を咬む」(左)

水の流れが岩を削る絶え間ない小さい挑みが、 新しい自分を生み出す
「煌(キラ)」(右)




「下蕪」(しもかぶら)(左)
国宝「青磁下蕪花瓶」をモチーフに、カスガイをバッタに見立てて愉しんだ重要文化財 青磁茶碗「馬蝗絆」のイメージを融合した作品
「雪」(右)
ヒビを大胆に金で継いで景色とした重要文化財 阿弥光悦作 赤樂茶碗 「雪峯」へのオマージュ





「煌(キラ)」
サロン内から中庭を望む





これから桜が咲き誇り、緑があふれる自然の中で、
ガラスアートが光として柔らかく存在する。
旅館という空間の中で、じっくりとアートと向き合い、
作品を通して自分自身の内界と対話する時間を過ごしていただければ嬉しいです。



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西中千人展 -呼継と光- 
  4月1日(金)~29日(金)
  板室温泉 大黒屋
    栃木県那須塩原市板室856 TEL :0287-69-0226
http://www.itamuro-daikokuya.com/art/

  *アーティストトーク: 4月18日(月) 20:00~
  *西中千人 在廊日:1日(金)・18日(月)・19日(火)・26日(火)・27日(水)

== 宿泊しなくても展覧会をご覧いただけます ==

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