Crack is beautiful. ガラス呼継 (よびつぎ)
『今後、日本のクリエイターに求められる資質、あるいはクリエイターが担うべき領域とは何か』
『既成概念を壊して(=ハックして) 、前へと進む野心とヴィジョン』をテーマとし、
日本から発信する“ 新しい ” クリエイティヴを求めるという趣旨で開催された「CREATIVE HACK AWARD 2013」。
グラフィック賞 をいただきました。
ガラスで表現した日本の美意識が、グラフィックという異なるジャンルにおいて評価されたことを、とてもうれしく思っています。
10月24日(木)東京国際映画祭 併設のマルチコンテンツマーケットTIFFCOM 2013において、世界に向けて紹介させていただく予定です。
表現方法が広がったことで「ガラスの呼継」を新しい形で伝えていけることにワクワクしています。
誰かが作った「つまらない壁」を壊していきます。
▶ 作品コンセプト
欠点こそが個性であり、魅力となる。
禅の思想から多いに影響を受け、また死を最も哲学した戦国の武将が生んだ茶の湯。
古来、茶人は割れた茶碗をこよなく愛してきた。
割れてはいけないはずの器が割れると、ヒビを継ぎ、金を蒔き、あえて割れを強調し「景色」と称して愛でた。
" True beauty could be discovered only by one who mentally complete the incomplete. "
『 不完全の美を自らの内で完全にできる者のみが真の美を見出せる 』
岡倉天心が「 BOOK OF TEA 」で、異文化に向けて「不完全の美」を説いてから100余年。
今、ガラスというグローバルな素材に日本の美意識をのせて、
まるで「自分自身を壊せるのか」という問いかけのように、
叩き壊し、継ぎ、生まれ変わる。
そして、創造が古の美意識を未来へと繋げていく。
*呼継(よびつぎ)とは、伝統的な陶芸の修復技法である金継(きんつぎ)の一種。
陶器の壊れて足りなくなった部分に別の陶片を埋め合わせて漆で留め、継ぎ目に金を蒔くもの。
エジプトで5000年、 ギリシャ、ローマで3~4000年の歴史が有ると言われている。
古い物や壊れた物が、たくさんあるににもかかわらず、ヒビを楽しむ修復という概念はない。
修復とは本来、もとの通りに戻すもの。
欠点を逆手に取って魅力に変えてしまう。
これこそ、 Creative HACK!!!
日本でしか生まれなかった美意識。