2011年11月23日水曜日

クリエイターズ コラボレーション

東京ディズニーランドのロゴ制作なども手がける
グラフィックデザイナー 吉田修一さんとの 2012年コラボカレンダーが出来ました。




躍動感溢れる文字デザインと、洗練された色使いが繊細なバランスで仕上がっているのは、やはり吉田氏の人柄、品格ですね。


私のガラスが、異なった解釈で興味深いグラフィック作品になり、
それを離れところから第三者として捉えることができて、とても新鮮です。

このカレンダーは、『地球はともだち』事務局主催の
『チャリティカレンダー展』(ランプ坂ギャラリー  11月28日まで)で販売され、
売上は、被災地の東北3県に寄附されます。  http://www.tiqtomo.com/index.html



2011年11月19日土曜日

紀州徳川養翠園と和歌の浦

「養翠園」は、紀州徳川家 第十代藩主 徳川治寶が作った大名庭園です。
実家から徒歩10分、久しぶりにやって来ました。
徳川吉宗が紀州徳川家の第五代藩主だったことから、「暴れん坊将軍」のロケが行なわたことでも知られています。


松をテーマにした7000坪の庭園です。
常緑樹の松は、永遠の命や不老長寿を意味しています。
松の造形が、豪快で、カッコイ~!のです。
「立華すかし」という仕立て方法だと庭師さんからお聞きしました。
「いいね~、この枝っぷり」と、植木好きの私は、いつも庭師になったつもりで木を眺めます。
海水を引き込んだ汐入の池は、潮の満ち干で景色が変わります。汐入の池は、将軍家の「浜離宮」と、この「養翠園」の2カ所だけ、大変珍しい造りです。

紀州特産の青石(緑泥片岩)。
このあたりでは、敷石や石垣によく使われます。子供時代には当たり前過ぎて意識していませんでしたが、色といい石目といい、美しいですね。

池の魚を狙っているカワセミ。
橙色のお腹と、輝く青色の背中の強烈なコントラストが美しい。池を泳ぐ鴨や、跳ねるイナ(ボラの幼魚)を眺めていると、気持ちが安らぎます。
庭園設計者の意図が、200年の時を超えて伝わってきます。
六本木ヒルズの毛利庭園よりも贅沢な気持ちになります。

子供の頃、通っていた保育園のある和歌浦。
万葉の歌人、山部赤人が「若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして 鶴鳴き渡る」と詠み、この地の美しさを世に伝えた景勝地です。
中学生の頃、「和歌浦で最も綺麗なのは、ここの奠供山(てんぐやま)からの眺めだ」ということを、発見した自分を誇らしげに思っていました。
しかし、1300年も前に山部赤人が歌に詠んでいたのを知り、真面目にショックを受けました(笑)。

もう一カ所、天満宮からみる和歌浦も格別です。

万葉の時代には、小野小町も訪れた玉津島神社。和歌の神様をお祀りしています。
日本初の屋外エレベーターが作られたのも此処です。(今は残っていません)
100年前に夏目漱石が乗り、小説 「行人」 に登場したことでも知られています。
江戸の二大庭園のひとつ、駒込の「六義園」は、ここ和歌浦の景色を元に設計されています。
六義園は12月4日(日)までライトアップされ、日中とはひと味違った美しさも楽しめます。


「紀州東照宮」
通っていた和歌浦小学校の隣りです。
さすがに紀州徳川家、八尺の木から削り出した左甚五郎作の彫刻や狩野探幽作の襖絵が納められています。50年に一度修復されるそうです。


ここでも敷石は全て青石。雨に濡れると蒼い地面が幻想的に際立ちます。


歴史を感じさせる建物も残る「明光通り」。
「明光」の名は、聖武天皇がこの地を「明光浦(あかのうら)」と呼んだことに由来します。


久しぶりの和歌浦で、子供の頃当たり前だった景色の中に新鮮な美しさを発見しました。
アメリカに留学して、改めて日本の美が見えてきた時と同じようです。

歌人が和歌で美しさを今に残したように、私はガラスで日本の美を表現し、伝え、時を超えて残していきたいと思います。


2011年11月17日木曜日

大桑文化奨励賞

日本の美を追求するガラス創作活動を評価していただき、
大桑教育文化振興財団様から文化奨励賞をいただきました。




大桑勇氏は幼少期、経済的理由で十分な教育を受けることができなかったそうです。
同じ悲しい思いをさせたくないとの理由から教育文化振興財団を設立され、
奨学金の支給や文化活動支援などを行っていらっしゃいます。

私の活動を認めてくださり、心から感謝しています。
世の中の役に立てるように頑張るぞ !!! と、気合いを入れています。


テレビ和歌山さんの報道番組で、私の活動や作品についてお話させていただきました。
制作の方も出演者の方も、和歌山のイメージそのまま。穏やかで純粋。
アットホームな雰囲気の中で、番組は進んでいきました。
故郷を離れて30年近くになりますが、和歌山言葉がうまく話せてましたよ。(そう思ったのは本人だけ?)

地域に密着したテレビ和歌山さん。
制作側と視聴者の距離がイイ感じなんですね。

アートも、作品と観るヒトの距離感は、とても大事です。
心に入り込める作品を創り出すのが、私の目指すところです。

2011年11月9日水曜日

長谷川等伯と狩野派@出光美術館

この展覧会は、狩野派と長谷川派を比較するという趣旨です。

両者の作品に対して、私が得た感覚は、

等伯さんの作品は、観る者のイマジネーションが絵の中心に設定されている。
その為、余白が大事。

狩野派の象徴的なスタイルは、さぁどうだコレでもか!!と、どんどん画題を押し出しいる。
なので、構図が大事。

皆さんは、どう感じられましたか?

展覧会の趣旨とは異なりますが、「スタイルや画風は継承できるが、感覚は個人のモノなので継承できない」という事実が会場で、ハッキリ理解できました。
等伯さんの没後、長谷川派作品の装飾性は強くなっていますが主題は、ユルくなってます。

今回の展示作品の中で、竹鶴図屏風に、深く心を揺さぶられました。
以前は、あまり意識しなかった画中の余白部分が特に素晴らしい。

竹林を通り抜ける湿気を含んだ空気の蒼い香りと、鶴の羽ばたきや鳴声が感じられる作品です。
これぞ、光と大気を描く等伯!!

もう一つ、「ライバルは切磋琢磨を加速させる」
ということを改めて認識しました。
私は、長谷川等伯さんをライバルとして日々精進します。

2011年11月7日月曜日

< 熱いガラスにアツイ思いを込めて >



熱気ムンムンの工房で、気合いを入れて制作しています。
作っては眺め、考え、壊し、また創る。。。
新作の完成をご期待ください!