2013年7月31日水曜日

タリンからコペンハーゲンへ

エストニアの首都タリンへ。


人々は純朴で、豊かな自然が優しい。


カヤックでバルト海に漕ぎ出し、海から街を眺めた。
水面ギリギリに浮かんでいると、波が地球の鼓動のように感じられ、自分が海の一部になったかのような錯覚を覚える。
沈没船が未だ残された静かな湾内から街を望むと、湾岸には、もと刑務所だった美術館が砦のように立ちはだかる
ソヴィエト連邦から独立して20年余り、内戦を経て成長に向う若い国は、これからどのように進んで行くのだろう。
ITと観光を柱にしていくという話を聞き、新しい国づくりの息吹を感じた。



次の寄港地コペンハーゲンへ。



歴史のある美しい街は、建造物のリニューアル工事があちこちで行われ、古き良きものを大切にし、次の時代に繫いでいく、人々の思いを感じた。



ヒトと環境に優しい街では、自転車専用道が整備され、子供を送り迎えする育メンも自転車で。


近未来的乗り物 セグウェイで、街を散策。
自転車道を走れるので、風を感じながら古い街並みをスイスイ進む。




市場に寄って、デンマーク名物 鰯のオープンサンドでひと休み。


馴染みの薄い北欧から東欧の地に立ち、そこで発展しててきた文化や現代に身を浸し、あらためて日本の文化を考える。
いまの時代に生きる自分は、何を作り、何を残せるのか。





2013年7月26日金曜日

サンクトペテルブルグにて


晴れの日は1年にわずか60日、冬は日照時間が5時間というサンクトペテルブルグでは、太陽の光を求め、建物の塗装は、黄色やピンクが多い。



エカテリーナ宮殿
金は太陽の象徴。


血の上の教会
異なる文化の中で、美の基準を考えて直してみる。




ルーブルに次ぎ、世界第2の入館者数を誇るエルミタージュ美術館。
芸術家の思いに共感し、世界中から集められた作品たち。
芸術家と収集家の熱い思いがここに集結。

光、輝き、明るさをもたらすガラス。
あらためてガラス芸術の役割を認識。

2013年7月24日水曜日

ストックホルム からヘルシンキ へ

日中でも15℃のストックホルム。
静かな夏がここにはあります。


落ち着いた雰囲気を残す小さな街、ヘルシンキ。


Uspenski Cathedral.
ロシアはすぐソコ!


アムステルダムから船で

ドイツのヴァルネミュンデへ。
    

今日までの自分を置き去りに、前進あるのみ!


Rostock の  St.Mary's church にある宇宙時計。
第二次世界大戦の戦火から守るため、2m以上もの厚さの壁を作ったそうだ。
600年以上経つ今もなお、時を刻み続ける。



2013年7月21日日曜日

パリにて

7月後半は、作品創りの手を休め、ゆったりとした時間の中で、一度全てをリセットし、今を感じています。


短い夏。乾いた空気を通して降り注ぐ光もご馳走です。


バカラミュージアム。
全面鏡張りの化粧室。
ここまでやり切れば圧巻!
うーん。やる気が盛り上がってきた‼


ノートルダム寺院。
愛を解くために。
愛に守られて、850年。

2013年7月14日日曜日

作り手の情熱が溢れ出る映画『 利休にたずねよ 』

映画『利休にたずねよ』の内覧試写会にお招きいただいた。
http://www.rikyu-movie.jp/


利休の美への執念。そしてそれを描いた山本兼一氏の原作の面白さは、ご存知の通り。

千利休という茶人の生き方とその美意識に感動した森田プロデューサーが、
自身の切り口で、その思いを伝えたくて創り上げた映像作品。

試写前に、プロデューサーご本人が、この原作を映画化する上での並外れた情熱を語ってくれた。

今作は、彼の初プロデュース作品。
エジプトでピラミッドを眺めながら、初の大仕事を決断したそうだ。
人類の偉大な文化遺産であるピラミッドにも勝る、日本の美意識を映画化し、若い世代にも伝えたいと。

利休が実際に使用したであろう長次郎作の黒樂茶碗を登場させたり、
団十郎さんと海老蔵さんの共演を含め、蒼々たるキャストを揃えたのも彼の努力の結晶。

本気の勝負。情熱を注ぎ、命を削って生み出される表現は力強い。

利休が彼を動かし、彼の熱意が制作に関わる人々を動かし、素晴らしい映像作品を生んだ。

沢山のヒトの心を動かすだろう。

第37回モントリオール世界映画祭 ワールドコンペ部門にノミネートされた。

2013年12月 全国東映系で公開。


2013年7月10日水曜日

七月七日 茶会にて

茶会で、私のガラス器 3点を菓子器としてお使いいただいた。

左から「呼継」、「夢で見た花」、「一文字手付皿」。
この器で七夕餅が運ばれると、お客様は一様に、Waa~と歓声をあげられた。


今の茶の美術の在り方に徹底して取り組みたいと続けていらっしゃる林屋晴三先生の茶会では、現代作家の作品を取り合わせ、毎回、楽しいサプライズでお客様をもてなされている。

陶器や磁器、漆器との道具組みの中で、ガラス作品は異なる華やかな存在感を放ち、参加された皆様を驚かせた。

私自身も席に座り、あらためて自分の作品を道具として手にすると、「手の距離」でガラスと向き合っている制作の時には見えない、豊かな空気が感じられた。

誰と、どこで、いつ、作品を共にするかで、同じ作品でも見え方や感じ方が大きく違ってくる。

作品とは、自己の表現であるばかりでなく、こういう場で実際に使っていただき、その時間と空間を共にする人々に喜んでもらうためにもあるのだ。

次の作品創りへのヒントも沢山いただいた。



2013年7月6日土曜日

ガラスでもてなす ー茶会ー 夏のこころくばり

千葉県内の旧家で行なわれた茶会。
テーマは『 夏を楽しむ 』。
広いお屋敷内の随所に、亭主の細心の配慮が感じられた。
私のガラス作品も、そのお手伝いをさせていただいた。


まずは手水鉢の柄杓置き。
シャープな板ガラスの積層が水を受け、涼やかに輝いていた。


立礼式の薄茶席で。
ガラス茶器「波跡」。
濃い紫色のガラスから、かすかにお茶の緑色が透けて見える。
水指はエミール ガレ。主茶碗は樂旦入作。


床には、創作切り子花入「五百重波」。
深く削ったマットな質感は、光を集め、ほのかな輝きを放っていた。
錫の敷板もご提案させていただいた。


別室では、氷に見立てたガラスで「涼」を演出。

点心席では、江戸時代から当家に伝わる献立を再現した料理も振る舞われた。

受け継がれる美を大切に、新しいエッセンスを加えたもてなしは、夏のひととき、招待客を心から酔わせていた。

ガラスで涼を演出したい、という亭主様の要望をカタチにした私の作品は、お客様、亭主様、共に喜んでいただくことができた。

創造する気持ちをカタチにして伝えるアーティストの仕事として、大きなやり甲斐を実感できた茶会だった。





2013年7月5日金曜日

ご期待にお応えして ー 米子髙島屋 西中千人展


一昨年に続き、二度目の米子展。
『待ってました!』とばかりに、初日から大勢のお客様が駆けつけてくださった。
お客様と作家(作品)を繋ぐ美術部、外商部の方々も、数ヶ月も前から、お客様に新作をご紹介くださっていた。
作家として、こんなに嬉しいことはない。

そして今回、会場に花を添えてくださったのは、小原流米子支部の先生。
ご自邸で育てた花だからこそ、器とのハーモニーが素晴らしい。

何度もお会いした訳ではない大勢の方が、こんなに私を応援してくださっている。
ご縁に感謝。
もっともっと作品で、感動を与えられるように励もう。

西中千人ガラス展@米子髙島屋 7月9日まで開催。