「呼継」は「よびつぎ」と読みます。
陶芸の修復技法、金継(きんつぎ)の一種です。
割れた茶碗などを修理する際、割れた部品を漆で留め、ひびに金を蒔くのが「金継」です。
「金継」技法の一種で、壊れて足りなくなった部分に別の陶片を組み込むモノを「呼継」と言います。
本来、修復とは、直したことがわからないように、もとの姿に戻すものですよね。
ところが、あえて継ぎ目を誇張し、欠点を魅力に変え、作品を生まれ変わらせる「呼継」。
これぞ、日本の美意識ですね。
何せ、歪んだ茶碗が国宝になる国ですから。
岡倉天心の云う「不完全の美」を楽しむ感覚は、他の国には存在しないでしょう。
ゴッホやガレをも虜にした 世界に誇る「日本の美意識」は、この「呼継」の精神にも表れています。
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西中千人展 呼継―新たなる息吹―
5月30日(水)―6月12日(火)
日本橋髙島屋6階 美術工芸サロン
午前10時~午後8時 最終日は午後4時まで
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