2020年10月23日金曜日

自分自身から解き放たれる旅 15 <チェコ 前編>

ブログ「自分自身から解き放たれる旅」 について

https://nishinakayukito.blogspot.com/2020/07/blog-post.html


ボヘミアンガラスの聖地 チェコへ

2017年8月

先ずはプラハ

美しい建造物が立ち並ぶヴルタヴァ Vltava 川沿い。






Jan Letzel が設計した、ひときわ優雅な通商産業省。
広島に彼の建築作品があると聞いた。
もしや、、、、、そう、ドーム部だけが面影を残している。




世界で最古、最大と言われるプラハ城  










「第一次大戦前までは、建築も音楽も科学技術もチェコが世界一だったんだ」と
フランティーシェック ヤナーク氏が、毎日話していた。
(彼はチェコ出身のガラスアーティストで、富山ガラス造形研究所時代の上司です。)

実際、プラハは14世紀には神聖ローマ帝国の時代にはローマと並ぶヨーロッパ最大都市。
16世紀にはハプスブルク家の下、ヨーロッパの文化の中心都市として栄華を極めた。


プラハの旧市街では、夜、あちこちの教会の中でコンサートが開かれる。



St. Nicholas ChurchとSt.Michael Monasteryに
オーケストラのコンサートを聴きに行った。


やはり人気はスメタナとドボルザーク。



目の前で演奏される楽器の音や歌声が、天上から降り注ぐように響いてくる。




神々しい空間の中で、ナショナルシアターのソリストたちの呼吸や楽譜をめくる音、奏者同士の目の合図までが伝わってくる。

鍛錬を積み重ねた生身の人間が繰り出す真の表現に、堪らなく私の心を揺さぶられた。

日本でも身近にこういう機会があるといいのになぁ。


Karlovy Vary 

プラハから2時間。
飲む温泉で有名な Karlovy Vary 
ロシアからの観光客が多いので町中 ロシア語の看板ばかり。



街の至る所で温泉が湧いている。
小さなコップを買って温泉を飲むんです。(ビミョ〜な味ですよ)









007の映画も撮影されたお洒落なリゾート地。
なんだかイマイチ野暮ったいのもアジなんでしょうね。



Moser

ほど近くの
モーゼル Moser のガラス博物館&工場へ。(こっちがメインです)




さすが、エングレービングとカット装飾ガラスの本場。  
練習すれば誰でもできるようなもんじゃない、想像を超えた繊細な技術です。
全部一人で彫ったのかなぁ、どれくらいの時間がかかったんだろう?





連帯窯&チームスタイルの吹きガラス制作は、
ガラス工場でキャリアをスタートした私には、とても懐かしいけれど、
MOSERは、制服がオシャレ。



ワイングラスのステムやフット(脚の部分)のガラスを1人で巻き取り、
伸ばして拡げる職人さんを見るのは初めて。
それも、サンダル履きでタバコを吸い、ビールを飲みながら !!!




ガラスを拭き込む型、木製のはサンプル用かな?



あまり見たことがないカーボン製の型



製品のデザインを含めて工場全体の緩やかな感じが、とても印象深かった。


クトナー ホラ Kutna Hora



地元のワインを売る小さなショップ
笑顔につられてつい買っちゃいました。

銀の採掘で栄えたクトナー ホラ Kutna Hora


13世紀にはヨーロッパで産出される銀の3分の1は、ここで採掘されていた。

木彫家フランティシェク・リント

骸骨教会として知られるセドレツ納骨堂。
1870年に
地域開発のために墓地を掘り返して出た4万人分の人骨から、
1870年に木彫家 フランティシェク リントが1万人分を使い組み上げた装飾。

圧巻、そして純粋に美しい。



等身大の聖杯(と呼んでいいのか?)の脚部、よく見ると細工が凝ってる。




教会オーナー家の紋章
オーナーさんは喜んだのか?聞いてみたい。






立派な八腕のシャンデリアが吊り下げられる。




シャンデリアの下には、22の頭蓋骨からなる4つの小尖塔。



老若男女、私も含めて誰もがコレです。






ガイドしてくれたモニカに、骸骨装飾をどう感じているかと尋ねると
「人間の姿の一つのプロセスだから」と笑顔。
いきなりの深い生死観に少々戸惑った。
死のとらえ方は即ち、生の意味なんだよなぁ。

でも、彼らは先祖の墓参りには行かなそうだな?!と感じた。