2020年8月7日金曜日

自分自身から解き放たれる旅 4 <ベネチア〜シンガポール への船旅#1. アドリア海を南下(ベネチア→ドブロブニク→コルフ島)>

ブログ「自分自身から解き放たれる旅」 について

-------


2015年10月〜11月

今回は、ベネチアからギリシャ、スエズ運河を抜けて
ヨルダン、インド、シンガポールまで海路で巡る4週間の旅。

文明や宗教ってどんなところで生まれてきたんだ!?
今そこでは、人は何を食べ、何を着て、どんな暮らしをしているんだろう?

ネット上の『情報』で、分かったような気になるんじゃなくて

その場の文化や空気を自身の目で見て体感して、そこに暮らす人と触れ合い
今までの自分の生き方を叩き壊す時間にしたい。

という思いを携えて旅に出た。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


成田からシャルルドゴール経由でベネチアへ。

中世以来、建築や音楽、食やジュエリーは世界のトップを誇るイタリア。
ファッション、クルーザー、クルマ等、
現代でも世界に誇るラグジュアリーなイメージを提供している国。


初めて訪れるベネチアは、バチカンのローマやメディチ家のフィレンツェとは大きく異なる空気感。
名所を散策しても、やはり観光公害(私もその内の一人です)。


作られた観光地では、風情を感じるコトもままならない。


人工の島で、少しうらぶれた感じが漂う路地裏にホッと一息。

近年はベネチア ビエンナーレで、アートの街としても有名だね。





次の日、小さな船でムラノ島へ。
12世紀後半には、今のガラスの技法をほぼ完成させていたと言われるガラスアートの島。
ガラスに携わる者として一度は行かないと、と思ってた、、、、、。

聞いてはいたが、、、、なんだか、、、、やっぱり、、、、
昔のお土産屋サン感が抗えない、残念な過去に栄えた島だった、ガンバレ〜 !!!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ベネチア港からクルーズ船でアドリア海を南下する。




クロアチアのスプリットに寄港
ローマ皇帝ディオクレティアヌスが建てた宮殿を中心に城壁で囲まれた古代都市。

10月なのに真夏のような太陽に照らされる地中海気候が気持ちイイ!!
意味もなく開放的になる。
人間のココロは天候に大きく影響されるのを実感。


3世紀末から4世紀にかけて建てられたデイオクレティアヌス宮殿は、ローマ帝国の衰退により廃墟になった。
その後、人が住み着いて今まで街として残っている。


一部は博物館になっているが、内部がレストランやショップとして使われている。
アリガタイ遺物として崇められるよりも、大切に使われている方がナチュラルに場に溶け込み、歴史が記憶になっているおしゃれな街として多くの人に愛されると思う。


聖ドウムニウス大聖堂  鐘楼


キリスト教を迫害したディオクレティアヌス帝の霊廟として建てられたが、
今はキリスト教の大聖堂になっている!?
彼の石棺も海に捨てられたらしい。

死んじゃった後のコトはどうしようもないから、とにかくシッカリ生きるゾ〜。




高さ60mの鐘楼から見る街と空の色が脳ミソに刺さる。(
階段で登って酸欠だからか?!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スプリットから少し南下して、斜面に立つ中世の建築が美しいドゥブロブニクへ、
「アドリア海の真珠」と呼ばれる

ギリシャ、ローマ、ベネチアの支配下、そしてナポレオン、オーストリア、
イタリア、ユーゴスラビアと複雑に変化した国、クロアチア。

1990年から数年にわたるクロアチア独立紛争の影響で危機遺産に指定されていたドゥブロブニク。


今は、とても綺麗に修復されている。


なぜだろう? かつてのラグーサ共和国は、どこもディズニーっぽく見えてしまう。
本当は逆で、D.Land さんが真似てるだけ。



海から見た街並みは有名ですが世界遺産の街を歩くと、
どこも凄くアジがあって、長居したくなる素敵な空気感。

中央部の凹んだ大理石の階段が、延々と引き継がれている人々の生活を感じさせてくれる。




街歩きの後は、カヤックでアドリア海へ。


波がないので、快適に浮かびながらアメンボのように進むのが気持ちイイ。
水面からの照り返しが意外と眩しい。

中世の城壁を海面から眺めつつ、ロクロム島 〜 べティナ洞窟へ。

ここの海水は透明度がハンパない、まるでカヤックごと宙に浮いてるかのようで、
海の中に溶け込んでいきそう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

サラエボ、モンテネグロを越えてギリシャへ
古い田舎の生活をそのまま残すコルフ島(ギリシャ語ではケルキラ島) 


農業と漁業と少しの観光で成り立っているが、実はギリシャ人が最も住みたい島と言われている??
ギリシャ、ヴェネチア共和国、フランス、トルコの支配下にあったので
旧市街にはその時代の建築が残り、世界遺産にもなっている。


でも、ほんの少し郊外に出ると、静かな静かな田舎の村。


海から山への細い道を自転車で一気に馳け廻るよー。

ヤバイ!! 皆んな本気のサイクリスト達だ。
イキナリ本気出して、一緒に島を走る。(マジ走りなので写真が撮れない)

途中のカフェで仲間とランチ休憩
地元で取れた野菜やチーズ、果物、ワイン。


庭にはレモン、葡萄、胡椒が、豊かに実っている。


歌いながら歩いているオジさん。
家の中から珍しそうに見ているお婆さん。
ノンビリ寝そべる犬。
「数百年間、何も変わってないのかも」と感じてしまう程ゆったりした時間に触れる。


物質の豊かさとは異なる幸せのカタチ。
自転車を置いて歩いていると、近所の女性が「これ食べなよ」とザクロをくれた。
照りつける太陽の下で、人の優しさとザクロの酸ッパさが滲みる。



アテネやコリント、エフェソス等の大規模な遺跡を誇るギリシャ時代の都市とは全く似ていない小さな村。
歴史に残る、残らないには関係なく、時代の影響を受けながら人の生活は繋がってるんだ。
コルフ島で、宇宙的な時間の中を「一瞬だけ」生きてる自分を感じる。