2011年9月20日火曜日

文楽を楽しむ

国立劇場45周年記念の文楽を観てきました。
ユネスコ無形文化遺産に登録された日本が誇る伝統芸能です。
本日の演目は
 「寿式三番叟」(ことぶきしきさんばそう)
 「伽蘿先代萩」(めいぼく せんだいはぎ)
 「近頃河原の達引」(ちかごろかわらのたてひき)でした。




太夫(浄瑠璃語り)、三味線、人形遣いの三業で演じられる文楽ですが、
一体の人形を三人がかりで動かし、人形遣いが堂々と観客の前に姿を現すのは
世界中の人形劇の中でも類を見ないスタイルです。


公演後舞台裏で、人形遣いの吉田勘彌さんから実際に使っている人形について教えていただきました。
頭部と骨格が木製です。予想外に重くてビックリ。
人形の着物は色艶やかで、広い観客席からでも日本の色が華やかに際立っていました。

人間ではなく人形が演じることで、表情や動きが制限されるのは表現法として不利に思われます。
しかし、観る側の想像できる範囲が広くなり、かえって強く心に入り込めるのを実感しました。

「 真の美は、不完全を心の中で完全にできる人だけが発見することができる 」
岡倉天心の一節が納得できる人形浄瑠璃です。

『 要素を削ることによって、より強い表現にする 』 
これぞ日本の美意識!!!
文楽の世界でも発見した日本の美意識を、ガラスで世界に発信するのが私の使命です。