2014年8月11日月曜日

ーガラスと錫ー 涼を呼ぶハーモニー

「波音(なみね)」と名付けた切子の水指。
波が創った海底の砂模様を表現したものだ。




分厚く吹いたガラスをダイヤモンドの砥石で深く削り、流れるようなラインで躍動感を出す。
見た目の清涼感に加え、手で触った感触が柔らかで気持ち良い、と評判も上々だ。

硬いガラスが柔らかいって。冷たいガラスが温かいって。
私のガラス作品はそのように感じられるそうだ。
ドロドロに熔けたの柔らかな熱いガラスから作っているのだから、
その柔らかで温かな美しさを皆様と分かち合いたいと考えている。


今回は、涼しげな錫の蓋を特別に新調した。


定番の真塗は馴染みがあって落ち着くが、夏場に錫はガラスと良く馴染む。
黒く酸化しないので、銀製より扱いやすいという利点も大きい。

摘みの形状、鎚目、板の厚みまで、お客様と錫の工房と一緒になって、
綿密な打ち合わせを重ねてようやく完成した。

私自身、とても納得のいく仕上がりになり満足している。

どういう道具の取り合わせで茶席に登場するのか、とても楽しみだ。